トレーニング記録の入力設計|種目・重量・回数を“続き”で見せるための整理
小規模スタジオほど、予約や決済よりも「指導の中身」が増えるほど管理が追いつきにくくなります。
種目・重量・回数・フォームの注意点が手帳やLINEに散ると、次回は “思い出す時間” が先に発生しがちです。
1. まず「記録単位」を揃える(迷子の元を潰す)
トレーニング記録が使われなくなる典型は、記録単位が混ざっているケースです。
「その日1回のセッション」が基本なら、次の2階層で固定すると運用が安定します。
- セッション:日時/担当/目的(今日は何を狙う回か)
- 種目ログ:種目/重量/回数/セット/RPE・負荷感(任意)
“種目ログ”は細かくしすぎない
現場で入力が止まる原因は、ログ項目の多さより「どれを必須にするか」が曖昧なことです。
必須は「種目・回数・セット」までに絞り、重量や補足は任意から始める方が回りやすいです。
2. “前回の続き”を出す表示を最優先にする
記録は、入力より「思い出す」用途の方が多いです。
会員カード(または会員トップ)に、次の3つが最初に見えるだけで準備時間が短くなります。
- 前回のセッション要約:実施種目/注意点/次回の狙い
- 推移の見どころ:主要種目の直近3回(重量・回数の差分)
- 今日の入力:そのまま記録を追記できるフォーム
※推移は全種目をグラフ化しなくても、主要3〜5種目に絞るだけで十分に役立ちます。
3. 種目名の表記ゆれを潰す(後から探せる形にする)
「ベンチ」「BP」「ベンチプレス」が混ざると、推移が崩れます。
ここは “入力補助” と “マスタ” の考え方が効きます。
- よく使う種目は候補から選択(検索付き)
- 自由入力は許可しつつ、後でマスタに寄せられる
- 略称は同義語として紐づける
マスタ運用の考え方は マスタ運用の設計ガイド が近いです。
4. 入力の負担を下げる「テンプレ」と「複製」
同じメニューが続く期間は、毎回ゼロから入力させない方が続きます。
現場で効くのは、次の2つです。
- 前回コピー:前回メニューを複製して数値だけ更新
- メニューテンプレ:目的別(筋力/フォーム/コンディション)で雛形を持つ
途中で止まっても“戻れる”ことが重要
セッション中は入力が途切れがちです。途中保存と再開は最初から入れておく方が事故が減ります。
設計の考え方は
入力途中保存と再開リンク が参考になります。
5. 検索・フィルタは「現場の探し方」に寄せる
後から探すときは、種目名だけでは足りません。
現場で使われる探し方はだいたい次の4つです。
- 会員(担当変更時の引継ぎ)
- 種目(推移確認)
- 目的タグ(減量期/フォーム改善/リハビリ寄り など)
- 期間(直近4週、今月、前回比)
管理画面側の絞り込みの基本は 管理画面の検索・フィルタ設計 に寄せると組み立てやすいです。
まとめ
トレーニング記録は、全部を細かく残すより「前回の続きがすぐ分かる」ことが最優先です。
セッション→種目ログの単位を揃え、主要種目の推移だけ先に見せる。表記ゆれを減らし、コピーとテンプレで入力を軽くする。
これだけで、次回の指導が “思い出すところから” になりにくくなります。
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