整備工場の入庫管理を詰まらせない予約設計|代車・保険修理・部品手配の前提回収

自動車整備の予約は、歯科やサロンと違い「来店してから内容が確定する」ケースが多く、しかもピット(作業枠)の制約が強い領域です。 日時だけを受け付けると、代車の有無・保険修理かどうか・部品手配が必要か・作業時間の見立てが揃わず、当日詰まります。 ここでは、入庫管理(入庫予定〜作業完了)を安定させるための予約設計を、現場運用寄りにまとめます。

この記事の対象読者
・自動車販売/整備/タイヤショップで予約と入庫管理を整えたい方
・繁忙期にピット枠が崩れて、現場の待ちが増えている方
・代車や部品手配の手戻りを減らしたい受付・管理者

1. 予約の入口を「メニュー」ではなく「要件の分岐」で設計する

整備予約はメニューが多すぎるため、入口で細かく選ばせると離脱します。 代わりに、当日の詰まりに直結する分岐だけ先に回収します。

「症状で来る」入口の作り方は、アライメント診断の例でも同じ発想です。必要なら アライメント診断予約の設計 のように、症状→必要情報へ落とす流れを転用できます。

2. 入力項目:車両情報は“分かる範囲”で良いが、当日連絡先は必須

車検証情報を完璧に取ろうとすると重くなります。最低限の軸だけ固定します。

希望日を複数で取る作法は、整備でも効きます。 第1〜第3希望を使った日程調整 の考え方で「確定は後で、候補を先に揃える」方が、受付が詰まりません。

3. 時間枠:ピット稼働を崩さない「粗い枠+バッファ」から始める

整備は当日の追加作業(固着、追加交換、診断の長引き)が必ず起きます。 最初は細かい時間指定をやめ、時間帯(午前/午後)+受付枠上限で運用し、落ち着いてから細分化する方が安全です。

時間枠をどう切るかは 時間枠設計の実務ガイド の「枠の粒度=現場の揺れ吸収力」で決める考え方が、そのまま使えます。

4. 予約後の追加情報回収:部品手配・保険の前提は“後追い”でいい

予約フォームで全部取ろうとせず、予約成立後に必要情報だけ追加で回収する方が、入力負担と精度のバランスが取れます。 例えば「保険会社名」「修理見積の要否」「写真(損傷箇所)」などは後追いでOKです。

この「不足情報を後から取りに行く」設計は 見積依頼後の追加情報取得オートメーション の考え方が土台になります(不足項目を自動で列挙→入力フォームへ誘導)。

5. 担当割当:受付と整備の“ボールの所在”を分ける

整備予約が形骸化する原因は「誰が次に動くか」が曖昧なことです。 受付(ヒアリング・確定連絡)と整備(診断・作業)の担当を分け、例外だけ手動で上書きできるようにします。

割当ルールの作り方は、業種は違っても構造が同じです。 担当者割当ロジック(自動・手動・混在) の発想で「自動で寄せるが、現場判断で崩せる」を設計の前提に置くと安定します。

全体像として「自動車販売・整備・タイヤショップ」領域の整理を先に見たい場合は、 自動車販売・整備・タイヤショップ向け を入口にすると、周辺(見積・入庫・在庫・顧客フォロー)まで繋げて考えやすいです。

まとめ

整備の予約設計は、日時より「当日詰まる前提(代車・保険修理・部品手配・預かり)」を先に揃えるのが要点です。 時間枠は粗く始めてバッファで吸収し、不足情報は後追いで回収する。 担当割当で“次の一手”を明確にすると、入庫管理が現場に定着します。インテンスでも、最初は枠と分岐だけ固めて段階的に精度を上げる進め方が多いです。

本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する 株式会社インテンスが、実際の開発プロジェクトで蓄積した知見をもとにまとめています。 株式会社インテンス(公式サイト)