品質対応では「社内では原因解析が進んでいるのに、営業は説明できない」「顧客に見せる資料がその都度バラバラ」という状況が起きがちです。
一方で、社内向けの原因解析(仮説や未検証情報)をそのまま外に出すのは危険です。
そこで必要なのが、顧客・営業に見せられる品質情報ビュー(外部提示用ビュー)の設計です。
外部提示用ビューは、設計思想が曖昧だと、現場が不安で更新しなくなります。
よって、最初に境界線を決めます(権限は 権限・ログ設計 前提)。
品質保証・規格認証との資料共有(提出用の切り出し)は 情報共有の仕組み の考え方がそのまま使えます。
社内は8D/CAPAで詳細ステータスを持つ一方、外部は単純な段階のほうが誤解が減ります。
外部向けは、次のようにまとめるのが実務的です。
外部ビューは、営業がコピペで説明できることが大事です。
そこで、画面は“説明テンプレ”として設計します。
添付の扱いは、社内と同じ箱に置くと事故りやすいので、提出用セットとして切り出せる設計が有効です(提出用の切り出し)。
影響範囲は、誤解が最も起きやすい領域です。
「対象外」と断言する前に、判定根拠(どのロット管理で、どこまで追えたか)が必要です。
この根拠は、ECO・BOM・出荷情報につながるトレーサビリティ(設計変更×評価のトレーサビリティ)が前提になります。
外部提示用ビューでよくあるのが、営業が毎回同じ質問に答えて疲弊することです。
そこで、確度の高い内容はFAQやナレッジとして昇格させ、外部ビューから参照できるようにします。
ナレッジ化の最低限の項目は 技術問い合わせのナレッジ化 の考え方が流用できます。
外部ビュー用に情報が整うと、ステータスや影響分類が揃います。
結果として、品質会議・経営報告用の統計(クレーム統計ダッシュボード)が作りやすくなります。
インテンスでも、外部ビューの設計は「説明を楽にする」だけでなく、品質KPIの整備まで見据えて設計します。
顧客・営業向け品質情報ビューは、社内のクレーム管理とは別に設計するのが安全です。
見せて良い情報の境界を決め、外部向けステータスは単純化し、影響範囲・暫定対応・次回連絡を“説明テンプレ”として揃える。
FAQ・統計ダッシュボードへつなげると、品質対応が属人化せず、継続的に強くなります。