品質保証・規格認証チームとの情報共有をWebで支える仕組みづくり

品質保証・規格認証の業務は、結局のところ「根拠資料を、必要なときに、正しい版で出せるか」に集約されます。
ここが崩れると、監査対応が遅れる、部門間で版がズレる、是正処置の証跡が追えない、といった問題が連鎖します。
この記事では、品質保証・規格認証チームとの情報共有をWebで支えるための設計ポイントを整理します。

この記事で扱う論点
・資料の種類(評価結果、手順書、設変、是正処置など)をどう分けるか
・権限・監査ログ(誰が見て良いか)
・承認と版管理(どれが“正式版”か)
・検索性(探せない問題を潰す)
・社外共有(監査・顧客提出)時の取り扱い

1. 共有すべき情報は「ドキュメント」だけではない

品質保証が必要とするのはPDFだけではありません。
例えば、評価結果(試験データ)、変更履歴、是正処置の進捗など、“状態と履歴”も重要です。
評価結果を探せる形で整理する考え方は 評価データ整理 が土台になります。

不具合受付と解析の入口は RMAフォーム設計、設変との繋ぎは トレーサビリティ設計 が役立ちます。

2. 権限設計:品質系は“閲覧できる人”の線引きが重要

品質・規格の資料は、社外秘や顧客情報を含みます。
フォルダ共有で雑に回すと、監査で突かれやすく、社内の心理的安全性も下がります。
権限とログは 権限・ログ設計 を前提に、少なくとも次を分けます。

監査で効くのは「アクセスログ」
誰が、いつ、何を閲覧・ダウンロードしたかが追えると、提出資料の扱いが説明しやすくなります。
この“証跡”があるだけで、運用の不安が減ります。

3. 承認と版管理:「最新版」ではなく「正式版」を定義する

品質系の資料は、最新版が正しいとは限りません。
監査や顧客提出に必要なのは「正式版(承認済)」です。
よって、版管理は 版管理 と、承認フロー(承認フロー)をセットにします。

試験結果や評価レポートも同様です。確定版は差し替えではなく、新Revで管理しないと、後から根拠が揺らぎます(評価データ整理)。

4. 検索性:監査前に“探せない”問題が出るのを止める

品質対応で起きがちなのが、監査直前に「その証跡どこ?」となる状態です。
検索性は、フォルダ構造よりメタデータです。
例えば、次の軸で引けると“探せない”が減ります。

入力が増えるほど検索も効くため、入口で情報を揃える仕組みが必要です。試作・評価依頼をフォーム起点で揃える設計(見える化)は、品質の情報整理にも効きます。

5. 社外共有:提出用パッケージを“切り出せる”ようにする

監査・顧客提出では、社内の全資料を見せるわけにはいきません。
そこで、提出用に「参照セット」を作れる設計が有効です。

このとき、データの意味ズレが起きると事故になるため、連携や項目の対応は データマッピング設計 を前提に決めます。

業種別の位置づけ(製造業:品質保証・規格認証)

製造業の品質・規格は、情報の統制ができるかどうかが競争力になります。
業務像は 製造業向け を前提に、
技術問い合わせのナレッジ(最低限の項目設計)や、評価データ(探せる形)と繋ぐと、監査対応だけでなく改善活動にも効きます。
インテンスでも、品質系は「共有フォルダ」ではなく、権限・承認・版管理・検索を一体で設計します。

まとめ

品質保証・規格認証との情報共有は、権限・承認・版管理・検索性がセットで必要です。
評価結果や是正処置など“履歴と状態”も含めてWebで回す形にし、正式版を定義し、提出用に切り出せる仕組みを持つと、監査対応が安定し、改善が積み上がります。

本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する 株式会社インテンスが、実際の開発プロジェクトで蓄積した知見をもとにまとめています。 株式会社インテンス(公式サイト)