職員のタスク進捗・残業見込みを見える化するダッシュボード設計例

税理士事務所の残業が増える原因は、単純に忙しいから…だけではありません。
実務では、「詰まっている場所が見えない」「顧問先待ちが整理されていない」「期限が近いのに手が付いていない案件が埋もれる」の3つが重なって、最後に爆発します。
そこで、タスク進捗と負荷を“見える化”するダッシュボードの設計例をまとめます。

関連テーマ
・期限タスクの土台:申告・納付期限カレンダー
・顧問先から資料を集める流れ:顧問先ポータル設計
・業務メニューと工数の前提:業務メニュー・料金台帳

1. ダッシュボードで見たいのは“件数”より“滞留”

件数だけだと、忙しさの説明にはなりますが、改善につながりません。
現場で効くのは、次のような“滞留”の可視化です。

この切り口は、問い合わせ管理のダッシュボード(画面レイアウトパターン)の考え方と似ています。

2. タスクの粒度:細かすぎると入力されない、粗すぎると見えない

税務業務は細分化しようと思えば無限にできますが、入力が増えると現場が逃げます。
そこで、タスクは“節目”に寄せます。

「顧問先待ち」は、理由(不足資料/確認事項/添付不足)まで分けると追いかけが具体的になります。期限設計(期限カレンダー)とセットで考えるのがコツです。

3. 残業見込みの出し方:予測精度より“危険信号”を出す

残業を正確に予測するのは難しいです。だから、最初から精度を狙わない方が失敗しません。
現実的には「危険信号」を出すだけでも価値があります。

レビュー担当が詰まっていると、全員が残業する
入力担当が頑張っても、レビューで止まると全体が遅れます。レビュー待ちの山を別枠で出すだけでも、繁忙期の打ち手が変わります。

4. 画面の定番レイアウト(例)

見やすさ優先で、まずは「3つの一覧+少しの指標」に寄せるのが安定します。

上部に出す指標(KPI)は多くしません。

5. 顧問先ポータルと繋げると、追いかけが“自動”になる

顧問先待ちの追いかけは、担当者の記憶に頼るほど漏れます。
顧問先ポータル(ポータル設計)と繋がっていると、「未提出」「差し戻し中」がそのまま一覧に出せます。
通知の運用は、期限カレンダー(アラート設計)と一緒に整えると、現場が楽になります。

まとめ

職員の進捗や残業見込みを見える化するダッシュボードは、件数よりも滞留を見せる方が効きます。期限直前の未着手、顧問先待ちの滞留、レビュー待ちの山を可視化し、危険信号を出す。まずはこれだけで、繁忙期の動き方が変わります。
インテンスでも、士業向けは「ポータル」「期限」「稼働」の3点を揃えると効果が出やすいです。全体像としては 士業事務所向けシステム開発例 と合わせて考えると整理しやすいです。

本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する 株式会社インテンスが、実際の開発プロジェクトで蓄積した知見をもとにまとめています。 株式会社インテンス(公式サイト)