施術メモは、現場の“手触り”が出やすい領域です。テンプレを決めすぎると書かれなくなり、 自由にしすぎると次回担当者が困る。どちらにも転びやすいので、設計で狙うべきは 「書き方は縛らないが、引き継ぎに必要な情報だけは揃う」状態です。
施術メモが続かない現場では、だいたい次のどちらかが起きています。
対策はシンプルで、「最小の固定項目」と「後から探せるキー」を持たせます。 タグ設計の基本は ステータス・タグ設計の実践例 に近い考え方です。
固定項目は、院のやり方に合わせて増やす前提でも構いません。ただし最初は少なく。 おすすめは次の5つです。
「詳細な評価票」を最初から完全に作るより、最低限の固定を作って回し、必要が見えたら足す方が成功率が高いです。 入力項目を増やす判断は、必須項目を減らすための情報整理ワークフロー の考え方がそのまま使えます。
自由記述は、現場の工夫や気づきが残るので強いです。問題は「探せないこと」なので、 自由記述にタグや見出しを少し足して、後から拾える状態にします。
#要点 を1行だけ(例:右肩の挙上で痛み、腸腰筋の張り強い)タグが増えすぎる問題は、問い合わせタグの運用と同じです。改善に回すなら 問い合わせタグをレポートに活かす方法 の発想が応用できます。
引き継ぎで困るのは、前回の詳細よりも「次回の狙いが不明」な時です。 メモの中に“次回の確認点”を固定で持たせると、担当交代でも崩れにくくなります。
事前問診とつなげると、初回の聞き漏れが減ります。 問診項目の整理は 問診・同意の導線 や、 医療寄りなら 事前問診フォーム設計 の観点が参考になります。
施術メモは、単体で完結させるより、患者ごとの時系列(タイムライン)に寄せた方が読みやすいです。 同じ発想で、回数券・物販・支払いメモも同じ画面に寄せると運用が楽になります(詳しくは次のページで扱います)。
施術メモは、理想形を作り込むほど現場が置いていかれます。最初は 引き継ぎの最小セットだけ固定し、自由記述を活かしつつ 探せる手がかりを足す。これだけで運用の安定度が上がります。 インテンスでも、現場が“書ける速度”を基準に項目を決め、足りない分は段階的に補う作り方をよく採用しています。