施術メモの書き方を縛らず、引継ぎだけ軽くする設計

施術メモは、現場の“手触り”が出やすい領域です。テンプレを決めすぎると書かれなくなり、 自由にしすぎると次回担当者が困る。どちらにも転びやすいので、設計で狙うべきは 「書き方は縛らないが、引き継ぎに必要な情報だけは揃う」状態です。

このページの結論(先に)
・固定するのは「引き継ぎに必要な最小セット」だけ
・自由記述は残しつつ、検索に使える“軽い構造”を足す
・「注意点」「次回方針」「禁忌」などは、文章ではなく“見える形”にする

1. 施術メモが崩れる原因は「入力負荷」と「検索不能」の両方

施術メモが続かない現場では、だいたい次のどちらかが起きています。

対策はシンプルで、「最小の固定項目」と「後から探せるキー」を持たせます。 タグ設計の基本は ステータス・タグ設計の実践例 に近い考え方です。

2. 固定してよいのは“引き継ぎの最小セット”だけ

固定項目は、院のやり方に合わせて増やす前提でも構いません。ただし最初は少なく。 おすすめは次の5つです。

2-1. 最小固定項目(例)

「詳細な評価票」を最初から完全に作るより、最低限の固定を作って回し、必要が見えたら足す方が成功率が高いです。 入力項目を増やす判断は、必須項目を減らすための情報整理ワークフロー の考え方がそのまま使えます。

3. 自由記述は残す。ただし“探す手がかり”を付ける

自由記述は、現場の工夫や気づきが残るので強いです。問題は「探せないこと」なので、 自由記述にタグや見出しを少し足して、後から拾える状態にします。

3-1. よく効く“軽い構造”

タグが増えすぎる問題は、問い合わせタグの運用と同じです。改善に回すなら 問い合わせタグをレポートに活かす方法 の発想が応用できます。

4. 引き継ぎで一番大事なのは「次回、何を確認するか」

引き継ぎで困るのは、前回の詳細よりも「次回の狙いが不明」な時です。 メモの中に“次回の確認点”を固定で持たせると、担当交代でも崩れにくくなります。

事前問診とつなげると、初回の聞き漏れが減ります。 問診項目の整理は 問診・同意の導線 や、 医療寄りなら 事前問診フォーム設計 の観点が参考になります。

5. 「患者画面」にまとめると、読む量が減って早くなる

施術メモは、単体で完結させるより、患者ごとの時系列(タイムライン)に寄せた方が読みやすいです。 同じ発想で、回数券・物販・支払いメモも同じ画面に寄せると運用が楽になります(詳しくは次のページで扱います)。

医療・施術系の全体像をつかむ
「問診」「同意」「記録」「回数券」「患者単位の履歴」の全体像は、
歯科・皮膚科・美容クリニック向けWebシステム活用アイデア にまとまっています。

まとめ

施術メモは、理想形を作り込むほど現場が置いていかれます。最初は 引き継ぎの最小セットだけ固定し、自由記述を活かしつつ 探せる手がかりを足す。これだけで運用の安定度が上がります。 インテンスでも、現場が“書ける速度”を基準に項目を決め、足りない分は段階的に補う作り方をよく採用しています。

本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する 株式会社インテンスが、実際の開発プロジェクトで蓄積した知見をもとにまとめています。 株式会社インテンス(公式サイト)