回数券・物販・支払いメモを「患者画面」に寄せると楽になる理由

施術院・クリニックの現場では、回数券、物販、支払いメモがそれぞれ別の場所に散らばりがちです。 その結果、「残数が合わない」「前回何を買ったか分からない」「支払いの約束(分割など)が口頭のまま」 といった“細かい事故”が積み上がります。

ここで狙いたいのは「会計システムを自作する」ではなく、現場が迷わないための最低限の情報を 患者画面に寄せることです。

先に割り切る(重要)
・レジ/会計ソフトの完全代替を狙わない
・院内で必要な「残数」「購入メモ」「支払いの約束」だけを扱う
・権限で見せ分ける(スタッフ全員に見せない情報は出し分ける)

1. 患者画面に寄せると「探す」が消える

回数券・物販・支払いは、施術メモや問い合わせ履歴と同じく「患者に紐づく情報」です。 患者画面にまとまっているだけで、探す時間が消え、説明が早くなります。

患者画面に寄せる前提があると、施術メモ(施術メモ設計)や 問い合わせ履歴(問い合わせ履歴化)も一本につながって回ります。

2. 回数券は「残数」だけを持つとズレる。履歴で戻せる形にする

残数だけを数値で持つと、現場ではズレます(更新忘れ、訂正、キャンセル)。 おすすめは、利用履歴を積み上げて残数を算出できる形です。

2-1. 回数券で最低限持ちたい項目

これなら、ズレても履歴から直せます。運用の「いつ更新するか」は、ステータス運用と同じでルールが必要です。 基本の考え方は ステータス運用ルール と共通します。

3. 物販は“商品マスタ”より先に「購入メモ」を整える

物販をきちんと管理しようとして、商品マスタや在庫から始めると重くなりがちです。 まずは、患者側に残ると嬉しい「購入メモ」を先に整えるのが現実的です。

「最初は軽く、必要になったら増やす」進め方は、管理画面でテーブルを持つ時にも同じです。 料金や商品をマスタ化する話は 料金テーブルの管理画面更新 の考え方が近いです。

4. 支払いメモは“会計”ではなく「約束」を残す場所

支払いメモは、金額の厳密管理というより、現場で揉めやすい「約束」を残すのが主目的です。 例えばこんな内容です。

ここは見せ方も大事で、患者画面の上部に「未収あり」などの目立つ表示を置くと、取りこぼしが減ります。 一覧のカラム設計の発想は ダッシュボードのカラム設計 が使えます。

5. 権限で“見せない”を先に決める

支払い情報やクレームに近いメモは、スタッフ全員が見える必要はありません。 「見せない設計」を先に決めると、運用が荒れにくくなります。

権限・ログの基本は セキュリティ観点 にまとめています。

医療・施術系の全体像
回数券・物販・問診・記録をまとめて検討したい場合は、
歯科・皮膚科・美容クリニック向けWebシステム活用アイデア もあわせて見ると、抜けやすい論点を拾いやすくなります。

まとめ

回数券・物販・支払いメモは、別々に管理するほど“探す時間”と“ズレ”が増えます。 会計システムを作るのではなく、患者画面に必要最小限の情報を寄せ、 履歴で戻せる形にしておくと運用が安定します。インテンスでも、院ごとに運用の癖が違う前提で、 「軽く始めて、必要になったところだけ追加する」組み立てをよく取ります。

本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する 株式会社インテンスが、実際の開発プロジェクトで蓄積した知見をもとにまとめています。 株式会社インテンス(公式サイト)