施術院・クリニックの現場では、回数券、物販、支払いメモがそれぞれ別の場所に散らばりがちです。 その結果、「残数が合わない」「前回何を買ったか分からない」「支払いの約束(分割など)が口頭のまま」 といった“細かい事故”が積み上がります。
ここで狙いたいのは「会計システムを自作する」ではなく、現場が迷わないための最低限の情報を 患者画面に寄せることです。
回数券・物販・支払いは、施術メモや問い合わせ履歴と同じく「患者に紐づく情報」です。 患者画面にまとまっているだけで、探す時間が消え、説明が早くなります。
患者画面に寄せる前提があると、施術メモ(施術メモ設計)や 問い合わせ履歴(問い合わせ履歴化)も一本につながって回ります。
残数だけを数値で持つと、現場ではズレます(更新忘れ、訂正、キャンセル)。 おすすめは、利用履歴を積み上げて残数を算出できる形です。
これなら、ズレても履歴から直せます。運用の「いつ更新するか」は、ステータス運用と同じでルールが必要です。 基本の考え方は ステータス運用ルール と共通します。
物販をきちんと管理しようとして、商品マスタや在庫から始めると重くなりがちです。 まずは、患者側に残ると嬉しい「購入メモ」を先に整えるのが現実的です。
「最初は軽く、必要になったら増やす」進め方は、管理画面でテーブルを持つ時にも同じです。 料金や商品をマスタ化する話は 料金テーブルの管理画面更新 の考え方が近いです。
支払いメモは、金額の厳密管理というより、現場で揉めやすい「約束」を残すのが主目的です。 例えばこんな内容です。
ここは見せ方も大事で、患者画面の上部に「未収あり」などの目立つ表示を置くと、取りこぼしが減ります。 一覧のカラム設計の発想は ダッシュボードのカラム設計 が使えます。
支払い情報やクレームに近いメモは、スタッフ全員が見える必要はありません。 「見せない設計」を先に決めると、運用が荒れにくくなります。
権限・ログの基本は セキュリティ観点 にまとめています。
回数券・物販・支払いメモは、別々に管理するほど“探す時間”と“ズレ”が増えます。 会計システムを作るのではなく、患者画面に必要最小限の情報を寄せ、 履歴で戻せる形にしておくと運用が安定します。インテンスでも、院ごとに運用の癖が違う前提で、 「軽く始めて、必要になったところだけ追加する」組み立てをよく取ります。