写真・図面・資料のアップロードは、問い合わせや予約フォームの“最後の難所”になりやすいです。
容量で弾かれる、スマホで選べない、プレビューできず不安、誤って個人情報が含まれた、社内で誰でも見える…など、運用開始後に問題が噴出しがちです。
本記事では、アップロードを「使われる前提」で設計し、事故を最小化するための実務ルールを整理します。
設計者が想定するファイルと、現場が実際に上げるファイルはズレます。まず現場の実例から決めます。
容量上限は「1ファイルの上限」と「合計上限」を分けて定義します。
スマホ最適化(入力最適化UI)と同様、ユーザーが分割して上げられる導線があると詰まりにくいです。
アップロードで離脱する理由は「これで合ってるか不安」が多いです。次を入れると改善します。
フォームの離脱率低減は 導線設計 の延長で、アップロードは“最後のステップ”に置きやすいです。ただし最後に置くほど「ここで落ちたら全部無駄」になるので、途中保存(入力保持)の考え方を併用すると強いです。
アップロードは保存より閲覧で事故ります。次を必ず決めます。
権限の基本は 権限設計 と整合させ、機微情報は 同意・個人情報の扱い と矛盾しない形にします。
ファイルは増えます。ずっと残す前提にすると、保管コスト・漏えいリスク・運用負担が積み上がります。
次の方針を事前に決めてください。
削除や復旧の考え方は 復旧設計 と同型です。
監査性は 監査ログ を前提に、アップロード・閲覧・削除のイベントを残すと、トラブル時の説明ができます。
現場では「写真が足りない」「図面が読めない」「別アングルが欲しい」が必ず発生します。
ここで必要なのは、差し戻し→再提出の導線です。フォローの型は フォローアップ設計 と同じで、何が必要かを箇条書きで明確にし、再提出リンクを一発で踏めるようにします。通知テンプレは 通知テンプレ管理 と整合させると運用が安定します。
図面・現地写真は要件整理の鍵です。業務像は 建設・工務店向け を前提に、差し戻し→再提出の導線を強くすると、見積の手戻りが減ります。
損傷写真や車両情報の回収が早いほど、部品手配と当日の詰まりが減ります。業務像は 自動車販売・整備・タイヤショップ向け を前提に、スマホで迷わないプレビューと再提出導線を優先すると効果が出やすいです。
アップロードは、形式と容量よりも「安心できるUI」「閲覧権限」「保存期限」「差し戻し再提出」が本体です。
プレビューと再選択を用意し、権限と同意に整合させ、期限と削除ログでリスクを抑え、不足情報回収まで一連で設計する。
ここまで入れて初めて、アップロードが現場を助ける機能になります。