タイヤ交換・持込取付の予約は「日時が取れたら完了」ではありません。現場で詰まりやすいのは、当日に適合しない・必要部材がない・作業想定より時間がかかるの三つです。 とくに持込の場合、ホイールのPCD(例:114.3)、穴数(4H/5Hなど)、ハブ径、インセット(オフセット)といった適合条件が揃わないと、当日になって作業不可や追加作業が発生し、店頭オペレーションが崩れます。
予約フォームをカレンダーだけにすると、当日まで前提が確定しません。 実務上のゴールは、作業メニュー(何をやるか)と、適合確認に必要な最小セット(できる/できないの判定)を先に確定することです。
ユーザーは「何をしたいか」は言えますが、「何が必要か」は言えないことが多いです。 そのため、設計順序は車両特定(前提)→作業メニュー(目的)→持込情報(制約)が安定します。
| ブロック | 主な項目(例) | 狙い |
|---|---|---|
| 車両情報 | 車種/年式/型式(分かる範囲)、駆動(2WD/4WD)、純正 or 社外 | 適合確認の起点を作る |
| 作業メニュー | タイヤ交換、組替、脱着、バランス、アライメント、TPMS対応 | 作業時間と工賃の前提を揃える |
| 適合要素 | タイヤサイズ、ホイール径、J数、穴数、PCD、インセット、ハブ径 | “当日不可”を先に潰す |
| 持込情報 | 持込タイヤ/ホイールの入手元、到着予定日、直送可否、同梱部材 | 受領〜保管〜当日準備を回す |
ホイール穴数(4H〜8H等)やホイール幅(J数)といった条件を検索UI側にも出す場合、 入力の“言葉”を揃えないと問い合わせが増えます。条件の見せ方は、製品検索の考え方として 数値条件の絞り込みUI や チップ型フィルターUI の設計が流用できます。
フォームを重くしすぎると離脱します。一方で、軽すぎると店頭が詰みます。 ここは“必須の線引き”を明確にします。
「分からない」を許容しつつ、追加回収を自動化すると往復が減ります。 送信後の追加入力の考え方は 追加情報取得オートメーション がそのまま使えます。
タイヤ交換は、同じ「交換」でも作業時間が違います(扁平・ランフラット・TPMS・輸入車等)。 固定の30分枠などで回そうとすると、繁忙期に破綻します。 メニュー別に枠を変えるか、最低でも「追加条件がある場合は長め枠」の分岐が必要です。
枠の粒度・ズレの吸収は、予約一般の設計として 時間枠設計の実務ガイド と 空き状況表示パターン を土台にすると、運用に耐えやすいです。
タイヤ・整備の予約は、受付担当・ピット・発注担当の間でボールが移動します。 ここを曖昧にすると「放置」が起きます。まずは最小のステータスで分けます。
ステータス運用のトリガーは ステータス管理の運用ルール の枠組みで決めるとブレません。 担当者の割当が混在する場合は 担当者割当ロジック の考え方で「受付担当→ピット→責任者」へ段階移譲を作るのが安全です。
自動車販売・整備・タイヤショップ領域の全体像(予約〜作業〜在庫・顧客管理)を俯瞰するなら、 自動車販売・整備・タイヤショップ向け を入口に、必要機能の優先度を整理すると要件が早く固まります。インテンスでも、繁忙期の受付負荷を起点に設計を組み直す相談が多いです。
タイヤ交換・持込取付の予約フォームは、日時だけでなく「適合確認に必要な前提」と「作業メニュー」を先に確定するのが要点です。 必須/任意を線引きし、分からない入力は写真や追加入力で吸収する。メニュー別の時間枠と、受付→適合確認→確定のステータス運用を組み合わせることで、当日トラブルと放置を減らし、店頭オペレーションを安定させられます。