ホテルの団体・宴会見積は、条件の組み合わせで金額が大きく動きます。 宿泊だけ、会議だけ、宴会だけなら比較的単純ですが、MICE(Meeting / Incentive / Convention / Exhibition)のように複合になると、 「会場費」「室料」「F&B」「AV」「搬入」「リハ」「撤収」「送迎」「ケータリング」など、関係者が一気に増えます。
本記事では、ホテル営業やバンケット担当が見積を出す前段で、フォームで聞き漏れを起こしやすい項目を構造化して整理します。 「見積依頼フォーム=一次ヒアリングの型」という考え方です。
最初に分けるだけで、必要項目が整理できます。特に「宿泊+宴会+会議」の複合は別ルートで扱うのが安全です。
分岐設計の基本は、問い合わせ種別の整理(問い合わせ種別プルダウン設計)と同じです。 「誰が決裁者か」「窓口が代理店か」も早めに拾うと、見積の出し方(税・手数料・契約形態)がブレにくくなります。
ホテル案件の見積で崩れやすいのが「会場の利用時間」です。開始・終了だけでなく、搬入と撤収、リハ時間が必要です。
時間枠の考え方は 時間枠設計の実務ガイド を前提にすると、現場運用と整合が取れます。 また、日程候補が複数ある場合は 第1〜第3希望の効率化 の発想がそのまま使えます。
見積の土台になるのは人数ですが、人数だけでは不十分です。 同じ100名でも、スクール形式・シアター形式・円卓(着席)で必要面積が変わり、会場グレードも変わります。
レイアウト・備品の取り方は 備品・レイアウト情報の取得設計ガイド を土台にすると、担当部門間の齟齬が減ります。
AV は「ホテル手配」か「持込」かで費目が変わります。持込の場合は電源やオペレーター手配の要否も絡みます。
ここは自由記述に寄せるとブレやすいので、「チェック+補足」にします。 入力補助や即時の注意文は エラーメッセージ設計 の考え方が応用できます。
宴会見積で揉めやすいのは「飲食の前提」です。コース/ビュッフェ/ドリンク、そして最低保証(ミニマム)をどこで合意するかがポイントになります。
この「前提条件の共有」は、送信後の説明文も含めて設計するとトラブルが減ります。 サンキューページでの伝え方は サンキューページのメッセージ例 が使えます。
団体宿泊が絡む場合、ホテル側は「何部屋をいつまで押さえるか(アロットメント)」と「カットオフ(締切)」が重要です。 ここが曖昧だと在庫が揺れ、宿泊単価も変わりやすくなります。
宿泊+会議+宴会が絡む場合は、社内の担当割当と振り分けルールが必須です。 割当の考え方は 担当者割当ロジック、 自動/手動の振り分けは 担当振り分けルール を土台にすると運用が崩れにくいです。
ホテル案件は、主催側も条件が固まっていないことが多いです。 フォームで完璧に確定させようとすると離脱が増えます。
そこで、項目ごとに「未定/相談したい」を許容し、代わりに優先順位を聞くのが実務向きです。
インテンスでも、未確定項目を「未定のまま受け付ける」代わりに、社内側で不足情報の回収タスクを自動生成する設計にすることで、案件の取りこぼしを減らすケースがあります。
ホテルの団体・宴会見積フォームは、時間軸(搬入・リハ・撤収)と、人数×レイアウト×AV×F&B×宿泊(アロットメント/カットオフ)の条件整理が核になります。 項目を詰め込みすぎず「未定を許す」設計にしつつ、社内の担当割当・振り分け・ステータス運用につなげることで、見積の出し戻りと手戻りを大きく減らせます。 ホテル業務全体の活用イメージは ホテル向けシステム開発例 も併せて参照すると整理しやすいです。