見積や提案は、顧客とのやり取りで条件が変わり続けます。
このとき版管理が無いと、「最新版がどれか分からない」「承認済みがいつの間にか変わっている」「営業と現場で条件が違う」などの事故が起きます。
この記事では、見積・提案の“差し替え地獄”を防ぐための版(Revision)管理を、実務で回る形に整理します。
版管理は、番号を振る前に「状態」を決めると破綻しにくいです。
最低限、次の3状態があると運用が安定します。
この状態設計は、ステータス遷移(遷移図)として明文化しておくと、実装・説明・運用が揃います。
Revisionは「R1 / R2」などでも良いですが、
重要なのは“最新版が一意に決まる”ことと、“何が変わったか追える”ことです。
確定版を編集できる仕様にすると、承認の意味が壊れます。
現実的には「確定版はロック」「変更したければ複製して新しい下書きを作る」が強いです。
承認の考え方は 承認フロー と同じで、「誰が確定できるか」を明確にすると事故が減ります。
見積の提示は、PDFが混ざるケースが多いです。ここが統一されていないと送り間違いが起きます。
おすすめは次の方針です。
添付の安全設計は ファイル添付 の考え方がそのまま使えます。
また、顧客へのメール文面や返信設計は 確認メールの必須情報 と揃えるとブレません。
実務では「今回は例外」「今回はサービス」が必ず混ざります。
この条件がPDFに残らないと、後から揉めます。
そのため、見積には次の欄を最初から用意すると安定します。
“例外処理”を事前に設計しておく発想は、料金計算ロジック(例外処理)と同じで、後で綻びが出にくいです。
見積条件が多く、改定も頻繁です。
業務像は 物流向け を前提に、
見積設計(運賃と附帯作業)は版管理とセットにしないと運用が破綻しやすい領域です。
入庫後に追加整備が発生しやすく、見積が差し替わりがちです。
業務像は 自動車販売・整備・タイヤショップ向け を前提に、
入庫〜作業指示(ピット割当)と見積の確定タイミングを揃えると、現場と営業の齟齬が減ります。
インテンスでも、見積・提案ほど“後から揉める”領域は、確定版のロックと履歴を最優先で設計します。
見積・提案の版管理は、「番号」より「状態」と「確定のルール」が肝です。
下書き/確定/失効を分け、確定版は編集不可、変更したければ新しい版を作る。
承認・履歴・PDF生成まで揃えると、“最新版が分からない”事故を現実的に潰せます。