ステータス運用が破綻する原因は「状態の数が多い」ことではありません。
破綻するのは、例外(差し戻し、保留、承認待ち、期限超過)が、状態として定義されていないことです。
この記事では、問い合わせ・予約・受注などで使える“遷移図”の作り方を、実務手順で整理します。
遷移図は、全部を一気に描こうとすると迷子になります。
最初に固定するのは、起点(発生)と終点(完了)です。
この“最短経路”を定義してから、例外を足します。基本形は 実例とパターン と同じです。
現場を止めるのは例外です。例外が状態にないと、担当者は勝手な運用(メモで管理)に逃げます。
最低でも次を状態として定義します。
状態を決めても、勝手に動かせると意味がありません。
禁止遷移(やってはいけない動かし方)を決めます。
この“禁止”は、権限(権限・ログ)ともセットで設計します。
例:管理者だけは例外的に強制クローズできるが、理由入力を必須にする。
遷移図が現場で機能するかは、担当の動きが揃うかで決まります。
たとえば以下は遷移と同時に担当が変わりやすいです。
遷移図を描いても、誰も気づかなければ動きません。
通知・リマインド(設計)を、遷移のタイミングに紐づけます。
解析・部品手配・現品確認など、保留が増えやすい領域です。
業務像は 製造業向けシステム開発例 を前提に、
不具合受付(関連:RMA設計)は「現品待ち」「解析中」「対策案提示」など、現場の実態に合わせた状態が必要です。
部品待ち・顧客連絡待ち・入庫待ちが混ざります。業務像は 自動車販売・整備・タイヤショップ向け を前提に、
入庫(関連:ピット割当)の前後で状態が分かれるように遷移図を作ると、現場のボトルネックが見えます。
インテンスでも、遷移図は“見栄え”より「例外が状態として定義されているか」を最優先で見ます。
遷移図は、最短経路より例外が本体です。
差し戻し・保留・承認待ちを先に入れ、禁止遷移と担当の動きを揃え、通知で動かす。
この順に作ると、ステータス運用が現場で機能しやすくなります。