見積依頼、現地調査、技術問い合わせ、入庫予約、物件資料の送付など、フォームや管理画面に「ファイル添付」はほぼ必須になってきています。
ただし、添付機能は“入れれば便利”な一方で、容量・形式・閲覧権限・ウイルス・誤送信などの事故ポイントが一気に増えます。
この記事では、添付を運用に耐える形にするための設計要点を、実務の順序で整理します。
添付は“便利だから”で入れると、後から破綻しやすいです。
最初に、添付の役割を次のどれか(複数でも可)に限定します。
例えば建設・工務店の見積/現調では図面が重要で、図面アップロード設計 とセットで考えます。
製造業の不具合受付(RMA)なら、不具合受付フォーム の「使用条件・添付を揃える」思想がそのまま効きます。
無制限は事故の入口です。運用負荷とリスクが跳ねます。
まずは「写真」「PDF」「図面」の3系統で考えると整理しやすいです。
容量制限は「弾くため」ではなく「詰まらせないため」です。
アップロードが重いと離脱(離脱率低減)にも直撃します。
添付が増えると、管理画面で「どれが何の資料か分からない」問題が必ず起きます。
そこで、添付には“カテゴリ(用途)”を持たせます(選択式推奨)。
この“意味付け”は、カラム設計(一覧カラム設計)にも直結します。
添付がある案件だけを抽出したい、添付カテゴリ別に確認したい、という要求は必ず出ます。
添付ファイルをURL直叩きで見れる状態にすると、URL流出や権限ミスが起きやすいです。
現実的には次の方針が安全側です。
権限設計の基本は 権限・ログ に揃えます。
社内だけ見れる添付と、顧客に共有できる添付は、同じ保存先に置かないほうが事故が減ります。
理想はウイルススキャンですが、構築・運用コストもかかります。
まず現実的に効くのは「危険ファイルを受けない」設計です。
もし外部共有があるなら、公開範囲と再送設計(外部連携の冪等性)と同じくらい慎重に扱うべき領域です。
添付は、溜めるほどリスクとコストが増えます。
次の観点で「残す/消す」を決めておくと、運用が詰まりにくいです。
ステータス運用(運用ルール)と揃えると、「完了=期限カウント開始」が作りやすいです。
図面と現場写真はセットです。業務像は 建設・工務店向け を前提に、
現調予約(図面・写真の事前回収)まで含めて、添付が“後戻り防止”の役割を持つように設計します。
車両状態、損傷、装着状態、タイヤサイズ表記など、写真が効きます。
業務像は 自動車販売・整備・タイヤショップ向け を前提に、
入庫予約(入庫設計)や適合確認(持込取付の予約)で、写真が“確認コスト”を下げる形にすると現場が楽になります。
インテンスとしても、添付は「付けられる」より「事故らない・探せる・共有できる」を優先して設計します。
ファイル添付は、便利な分だけ事故ポイントが増える機能です。
形式/容量を絞り、添付に意味付けを持たせ、直リンクを避けて権限と期限を固める。
この順に設計すると、添付は“現場の武器”として運用に乗りやすくなります。