共同研究は、関係者が多く(大学、企業、外部ベンダー等)、成果物も多様(試験データ、レポート、議事録、図面、契約関連)です。
メールと共有フォルダだけで回すと、版ズレ・権限漏れ・探せない問題が積み上がり、研究のスピードが落ちます。
この記事では、共同研究プロジェクトを“権限付きで整理できる”ポータル化のアイデアを整理します。
共同研究で問題になりやすいのは、技術そのものより運用です。特に次の4点が多いです。
権限とログは後付けできないので、最初に 権限・ログ の設計を置き、成果物は 版管理 の思想で固めるのが安全です。
ポータルは情報を置く場所ではなく、プロジェクトを回す器です。
最低限、次の3系統を分けて持つと運用が崩れにくいです。
議事録・合意事項は、後で揉める原因になりやすいので、承認フロー(承認設計)で「合意済」を明示できると強いです。
共同研究では、ドラフトが乱立します。差し替え運用だと、いつ何が合意されたかが消えます。
成果物は確定版を固定し、修正は新Revで発行します(版管理)。
特に、提出用成果物(対外提出)と、社内検討用(草案)を分けるのが実務的です。
共同研究のデータは“再現できる形”で残さないと意味が薄れます。
評価データは、試験レコード+条件+添付の構造で整理し(評価データ整理)、プロジェクトIDから引けるようにします。
試作・評価依頼をフォーム起点で回すなら、依頼側の案件一覧(見える化)と紐づけると、研究と現場が繋がります。
社内だけの権限設計と違い、共同研究は外部が入ります。
そこで、次のレイヤーを分けると事故が減ります。
添付を扱うときは、保存期間やダウンロード権限も含めて設計します(添付設計)。
インテンスでも、共同研究系は「閲覧できる/できない」の線引きを最初に仕様化します。
共同研究は、成果物が出ない/レビューが止まる/次の実験が決まらない、などで停滞します。
そこで、活動ログに“状態”を持たせると、止まりが見えます。
ステータスの設計は、一般の案件管理(運用ルール)と同じで、遷移を決めることが重要です。
製造業の研究開発では、共同研究の成果を“社内に残す”ことが次の競争力になります。
業務像は 製造業向け を前提に、評価データ、ナレッジ、品質共有が一本で繋がる形にすると、研究成果が現場へ落ちやすくなります。
インテンスでも、共同研究ポータルは「共有」より先に、権限・版・証跡が崩れない設計を重視します。
共同研究をポータル化するなら、権限・版・証跡・再現性が鍵です。
プロジェクト基本情報/成果物(Rev管理)/活動ログ(議事録・タスク)を分け、評価データは条件で引ける形で残す。
外部参加者を前提に権限を分割し、合意・確定を状態として扱うと、共同研究が“回る器”になります。