検索ログの活用|0件検索・離脱点から“探しにくさ”を改善する手順

検索は「使われているか」より、「見つかっているか」が重要です。
検索が多いのに成果が出ない場合、原因はだいたいログに出ています。
0件検索、フィルタの迷走、検索結果での離脱…。
この記事では、検索ログから“探しにくさ”を特定して改善する手順を、実務の順序で整理します。

この記事で扱う論点
・最低限取るべき検索ログ項目
・0件検索の原因分類(辞書/カテゴリ/データ不足)
・サジェスト・同義語・正規化の入れ方
・UIの改善(結果の見せ方、フィルタ導線)

1. まず「何をログとして残すか」を決める

ログが“キーワードだけ”だと改善に繋がりません。
最低限、次を取ると分析が一気に進みます。

注意(個人情報)
検索語に個人情報が混ざる可能性があります。
ログの保存期間や閲覧権限は 権限・ログ設計 の観点で決め、必要ならマスキングします。

2. 0件検索は“原因別”に分けると打ち手が見える

0件検索は、全部同じではありません。原因を分けます。

A:表記揺れ(正規化で直る)

型番・品番なら 入力補助・サジェスト とセットで改善できます。

B:同義語(辞書で直る)

FAQなら キーワード設計 がそのまま効きます。

C:カテゴリ構造の問題(分類設計を直す)

カテゴリ設計は カテゴリ構造、分類は 分類最適化 が土台になります。

D:データ不足(そもそも登録されていない)

3. “多すぎる検索結果”も改善対象(見つからないのと同じ)

0件ばかり注目されますが、「多すぎる」も同じくらい問題です。
多すぎる場合は、次のどれかが不足しています。

“多すぎる”の改善は、検索の使い勝手を一段上げる打ち手になりやすいです。

4. 改善の優先順位:頻度×離脱×重要度で決める

ログが溜まると、改善候補が増えすぎます。優先順位の軸を固定します。

改善した後は、再度ログで効果を見るところまでがセットです(“やりっぱなし”を防げます)。

業種別の典型

製造業(型式・仕様検索)

型式・ロット・図番などの揺れが発生しやすいです。
業務像は 製造業向け を前提に、
技術問い合わせ(取りこぼし防止)と検索ログを繋ぐと、「どの情報がマスタに足りないか」が見えます。

自動車販売・整備・タイヤショップ(サイズ・作業メニュー検索)

サイズ表記、作業名の同義語が多いです。
業務像は 自動車販売・整備・タイヤショップ向け を前提に、
予約導線(空き表示)の前に「見つからない」を潰すことで、予約取りこぼしが減りやすいです。

インテンスでも、検索ログは“UI改善の根拠”として強く、低品質な改修(思いつき)にならないための材料として扱います。

まとめ

検索改善は、ログがあれば“勘”ではなく手順になります。
0件検索を原因別に分け、正規化・辞書・分類・データ不足のどれで直すかを判断する。
頻度×離脱×重要度で優先し、改善後もログで効果を見る。これで検索は継続的に強くなります。

本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する 株式会社インテンスが、実際の開発プロジェクトで蓄積した知見をもとにまとめています。 株式会社インテンス(公式サイト)