ECサイトをスマホ対応させる4つの方法と選び方

ECサイトのスマートフォン対応イメージ

「ECサイトをスマホで見ると、レイアウトが崩れていて購入までたどり着きにくい」「本当はレスポンシブに作り直したいが、すぐにはリニューアルできない」。。
一方で、社内体制やシステム事情から、PC 時代の設計のまま EC サイトを運用し続けているケースも多く見受けられます。

本ページでは、ECサイトをスマホ対応させる代表的な4つの方法と、それぞれのメリット・注意点を紹介します。自社のECサイトに合った進め方を検討する際の参考情報としてご覧ください。
後半では、当社のスマホ自動変換サービス「movo(ムーボ)」を活用した現実的な進め方もご紹介します。

※ここでは、EC担当者・Web担当者の方が「まず全体像を整理する」ための視点に絞って説明しています。

今、ECサイトのスマホ対応が重要な理由

BtoC・BtoBを問わず、ECのアクセスの多くは既にスマートフォン経由になっています。
にもかかわらず、PC前提で作られたレイアウトのままでは、次のような問題が起きがちです。

  • 文字が小さく、ピンチイン・アウトしないと読めない
  • リンクやボタンが押しづらく、カートまで進む前に離脱してしまう
  • 画像が重く、回線状況によっては表示完了までに時間がかかる
  • モバイルフレンドリーではないレイアウトが、検索評価にも悪影響を与える

スマホ対応というと「全面リニューアル」を思い浮かべがちですが、実際には予算・社内体制・基幹システムとの連携などの理由から、 すぐに刷新できないケースが多くあります。そこで重要になるのが、今のECを活かしながら、どのように スマートフォンでの「見やすさ」と「操作のしやすさ」を改善するかという視点です。

ECサイトをスマホ対応させる4つの方法

代表的な選択肢は、次の4つです。 どれが正解かというよりも、自社の制約条件とゴールに合うかどうかで考えるのが現実的です。

1
現在のECをレスポンシブにリニューアル
フルリニューアル型

PC・スマホ共通のHTMLを使い、CSSでレイアウトを切り替える方法です。 新規構築のECサイトでは主流のやり方で、ブランド表現や導線をゼロから設計し直したい場合に向いています。

  • デザインの自由度が高く、UXを一から組み立てられる
  • ただし、設計~実装~テストまでの工数・費用は大きくなりがち
  • カートや決済モジュール、在庫連携なども作り直しになるケースが多い

「数年使える新しいECを作りたい」「ブランドサイトとECを統合したい」といったタイミングで検討されることが多い選択肢です。

2
スマホ専用のECサイトを別に作る
PC/SP分離型

既存のPC版とは別に、スマホ専用のECサイトを用意する方法です。 スマホに特化したUIを作り込めますが、2つのサイトを常に同期させる運用負荷がネックになります。

  • スマホ側だけ別デザイン・別導線を採用しやすい
  • 商品情報・在庫・キャンペーン情報などを常に2重管理するリスクがある
  • URLが分かれるため、転送・canonical などSEO面の設計も必須

「キャンペーン用に一時的なスマホLPを増やしたい」といった用途では有効ですが、長期運用の本格ECにはあまり選ばれなくなりつつあります。

3
スマホ標準対応のECカート・ASPへ乗り換え
プラットフォーム変更型

楽天市場・Shopify・ASPカートなど、スマホ対応が前提のプラットフォームに移行する方法です。 基幹業務とのつながりをどう確保するかが重要な検討ポイントになります。

  • 最初からスマホ前提のUI/テンプレートが用意されている
  • 在庫・受注・会員情報を既存システムとどう連携するかの設計が必須
  • 独自の価格ルールやBtoB向けの特殊な条件が多いと、標準機能だけでは足りないことも

「今のカートシステム自体が古くて限界」「とにかく運用コストを軽くしたい」といった場合に候補になります。

4
既存ECはそのままに、スマホ自動変換をかける
中継フィルタ型(movo)

PC向けに作られた既存ECの手前に、「スマホ専用の中継フィルタ」をはさむ方法です。 ユーザーのスマホからのアクセスだけを一度当社クラウド側に通し、画面サイズに合うレイアウトへと自動変換します。

  • EC本体のサーバーやアプリケーション・プログラムには基本的に手を入れない
  • 商品登録・在庫管理・受注フローは、今までどおり既存EC側で行える
  • レイアウトや不要要素の整理は、変換側のCSS・設定で後付けチューニングが可能

「1日も止められないEC」「基幹システムと密に連携していて、今すぐには触れないEC」で、 まずスマホ体験だけを先に底上げしたい場合に特に相性の良いアプローチです。

4つの方法の比較(コスト・スピード・運用負荷)

上記4つの方法を、よく質問をいただく観点で整理したものが次の表です。 あくまで傾向ですが、自社の状況に近い列をイメージする参考になります。

ECサイトのスマホ対応方法のざっくり比較
比較観点 1. レスポンシブ
リニューアル
2. スマホ専用
別サイト
3. ECカート等へ
プラットフォーム変更
4. スマホ自動変換
(movo)
初期コスト ×制作ページ分の費用 スマホ側分を追加制作 移行・連携の設計次第 変換サーバー初期構築費のみ
導入スピード 要件次第で中〜長期 ページ数による データ移行がボトルネック テスト変換後、短期間で公開
デザイン・UXの自由度 ゼロベース設計で自由度が高い スマホ専用UIを作り込める テンプレートの範囲内 元ページと連動させつつカスタマイズ可能
運用・更新のしやすさ PC・SP共通で一元管理 ×PCとSPの2重管理 プラットフォーム側で機能拡張 更新は従来どおりPC版だけでOK
EC本体への影響 ×プログラム含め全面見直し URL/導線の整理が必要 ×カートそのものを変更 EC側はそのまま、スマホ表示だけ最適化
「とりあえず早く改善したい」場合 ×時間・予算ともに重め 規模による 移行計画次第 現環境のまま短期間でスマホ対応
ポイント: 中長期的にはレスポンシブやプラットフォーム変更が必要なケースでも、「その日まで売上を落とさずに、どうつなぐか」という視点で見ると、 既存ECを活かしたスマホ自動変換(movo)の役割がはっきりしてきます。
ECサイトとスマホユーザーの関係イメージ

既存ECを触らずにスマホ体験だけ改善する「movo」という考え方

当社のスマホ自動変換サービス「movo(ムーボ)」は、「エンドユーザーのスマホ」と「既存ECサーバー」のあいだに中継フィルタをかませる方式です。 スマホからのリクエストを一度当社クラウド側で受け取り、PC版ECのHTMLをリアルタイムで読み込んで、スマホに最適化した形で返します。

  • 既存ECのテンプレートやプログラムは基本的にそのまま(サーバー情報の開示も不要)
  • 商品・在庫・会員情報・受注フローは、従来どおり既存のEC管理画面で運用
  • スマホ側のレイアウト調整・不要要素の削除・ボタンの強調などは、変換側のCSSと設定で制御
  • 画像は変換時に自動圧縮するため、レスポンシブより軽くなるケースも多い

実際にご相談いただくのは、次のようなECです。

  • 保険・金融・通信など、申込フローが複雑で1日も止められないマイページ系EC
  • 法人向け工具・部品・消耗品ECなど、既存基幹システムと強く結びついたBtoB EC
  • 古いショッピングカートをカスタマイズしながら運用しており、今すぐは乗り換えられないケース

こうしたECでは、「リニューアルしたい気持ちはあるが、まずは売上を止めずにスマホからの離脱を抑えたい」という声が多く、 実際に導入いただいたお客様からは次のようなコメントがあります。

  • 「保険契約者向けマイページを1日も止められないので、元の環境に触らなくてよい方式が助かった」
  • 「法人向けECで、商品点数が多すぎて全ページリニューアルは現実的でなかったが、まずスマホ表示だけを整えられた
  • 「社内の承認プロセスの関係で大規模リニューアルは来期以降になりそうだが、スマホ自動変換で‘つなぎ’以上の成果が出ている

将来的にフルリニューアルを行う場合も、次のようなステップが取りやすくなります。

  • まずは現行ECにmovoを導入し、短期間でスマホ体験を底上げする
  • その間に、PC版・基幹連携・カート構成など、次期リニューアルの設計をじっくり検討する
  • 数年後にPC版を刷新しても、スマホ経路は引き続きmovo経由にすることで、スマホ側の作り直しコストを抑えられる

「movo」でECサイトをスマホ対応させるまでの進め方(例)

検討の初期段階では、難しい資料は必要ありません。
実際の進め方の一例は次のとおりです。

  1. STEP 1
    現行ECのURLと概要を共有

    スマホ対応したいECサイトのURLと、ざっくりとした課題感(例:カートまでの離脱、マイページの見づらさ など)をお知らせください。 サーバー情報やソースコードのご提供は不要です。

  2. STEP 2
    無料テスト変換で、社内みんなでスマホ版を確認

    当社側でテスト用の変換設定を行い、実際のECをそのままスマホ表示したテスト環境をご用意します。 社内のPC・スマホから一定期間アクセスいただき、見やすさや操作感をBefore/Afterで比較していただけます。

  3. STEP 3
    本番向けの調整ポイントをすり合わせ

    テスト結果を踏まえ、「ここはもっとボタンを大きく」「このブロックはスマホでは非表示」といった細かな要望を伺いながら、 レイアウトや導線のチューニングを行います。

  4. STEP 4
    サブドメイン設定後、本番公開

    サブドメインの設定(例:m.example.com)と、スマホからのアクセスをmovo経由に切り替える設定を行います。 EC本体のプログラムはそのまま、短期間でスマホ最適化されたECとして運用開始できます。

「まずはテスト変換だけ」「来期のリニューアル計画と合わせて検討したい」といった段階でも構いません。 既存EC・基幹システムとの関係を踏まえて、無理のないステップをご提案します。

今なら、現在お使いのECサイトをそのまま使った
「無料テスト変換」をご体験いただけます。

テスト変換に必要なご準備はありません。
スマホ対応したいECサイトのURLをお送りいただくだけで、当社担当者がオンラインで仕組みをご説明しながら、 社内の皆さまでスマホ版を確認いただけます。

※ご希望に沿わない場合は、その場でお断りいただいて問題ありません。
※会議や稟議の場でも、PC版とスマホ版の見やすさ・操作性をBefore/Afterで比較できる検証デモとしてご活用いただけます。

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