動物病院では、診療予約のほかにも、初診・再診時の問診、ワクチンや予防薬、健康診断の案内、検査結果や投薬資料の共有、トリミング・ペットホテルの受付など、来院前から診療後まで飼い主様との連絡が続きます。電話、紙の問診票、メール、LINE、外部予約サービスに情報が分かれていると、受付時に予約内容と対象となる動物を照合したり、過去の案内や連絡履歴を確認したりする際に、複数の記録を見比べる必要があります。
このページでは、診療・トリミング・ペットホテルの予約受付、予防・健診の案内、検査結果や説明資料を確認できる飼い主様向けマイページ、休診・イベント情報の発信などを、5つのWebシステム例に分けて紹介します。飼い主様と動物の情報を対応させ、予約の申込と確定、問診の提出と院内確認、資料の公開と診療上の説明を別々に管理する構成を想定しています。現在利用している予約サービスや院内カルテ、会計・POSレジをすべて置き換えることを前提とせず、既存の運用を確認しながら追加する範囲を検討できます。
対象:動物病院/ペットクリニック/トリミングサロン併設病院/ペットホテル併設病院
診療・トリミング・ペットホテルの予約受付、来院前の問診、予防・健診情報の案内、検査結果や説明資料の共有、休診・イベント情報の発信を対象としています。飼い主様と動物の情報を正しく対応させ、受付済み・確認待ち・確定・実施済みなどの状態を院内で確認できる構成を想定しています。
次のような業務について、Webでの受付や情報共有を検討している病院が対象です。
電話予約では、希望日時のほか、初診・再診、症状、動物種、投薬中の薬、来院時の注意事項まで一度に確認する必要があります。診療中の着信や受付が混み合う時間帯には、聞き取った内容を後から院内カルテへ転記することもあり、受付担当者以外が予約の経緯を確認しにくくなります。
予防や健診の時期は、動物種、年齢、生活環境、健康状態、過去の接種・投薬歴などによって異なります。季節ごとの一般案内と、獣医師が確認した個別の予定を区別せずに配信すると、飼い主様が自分の動物に該当する情報か判断しにくくなります。案内対象の抽出方法と、送信後の予約・実施状況をどこで管理するかも決めておく必要があります。
個別の検査結果、画像、投薬方法などをWebで共有する場合は、どの飼い主様が、どの動物の、どの版の資料を閲覧できるかを管理します。資料を公開した記録や閲覧日時は残せますが、それだけで獣医師による説明や飼い主様の理解を確認したことにはなりません。緊急性のある結果をWebへの掲載だけで伝えない運用も必要です。
既存の予約サービス、院内カルテ、会計・POSレジがある場合は、それぞれが管理する情報を確認します。予約日時、診療記録、料金・支払状況など、複数のシステムに同じ項目があるときは、どのデータを基準とするかを導入前に決めます。
診療は初診・再診・予防・健診・手術相談など、来院目的に応じて入力項目を変更します。再診時は登録済みの飼い主様と動物を選び、初診時は連絡先、動物種、品種、年齢、症状などを入力する構成にできます。複数頭を飼育している場合や、家族が代理で申し込む場合も想定して、来院する動物と申込者を別々に記録します。
フォーム送信後の状態は、「申込受付」「病院確認待ち」「予約確定」「変更」「取消」などに分けます。病院が内容を確認してから日時を決める運用では、自動返信を予約確定通知と誤解されない文面にします。空き枠へ自動で予約を確定する場合は、診療内容や初診・再診によって受付可能な枠を設定します。
トリミングやペットホテルを同じ入口から受け付ける場合でも、診療予約とは受付枠、確認項目、担当部署、確定条件を分けて管理できます。変更やキャンセルがあった際は、申込時の内容を上書きせず、変更前後の日時と受付者を履歴に残します。
外部予約サービスを利用している場合は、確定日時を外部サービス側で管理するのか、院内一覧へ連携するのかを決めます。来院時の持参物や受付方法は、予約確定後のメールやLINEで案内できます。
一般公開ページには、病院で取り扱う予防接種、予防薬、健康診断について、対象となる動物、実施時期の考え方、予約方法、受診前の確認事項を掲載します。具体的な実施可否や時期は、動物の年齢、生活環境、健康状態、既往歴などを獣医師が確認して判断することも明記します。診療内容や料金を掲載する場合は、掲載先と誘導方法を確認し、獣医療広告ガイドラインに沿って表示項目を決めます。
個別案内を行う場合は、院内カルテ等の接種・投薬・健診履歴から対象候補を確認し、飼い主様と動物を指定して配信します。「案内対象」「送信済み」「配信不能」「閲覧」「予約済み」「実施済み」を別々に記録すると、未予約の動物と、すでに他院等で実施した動物を区別できます。
メールやLINEには一般的な案内と認証ページへのリンクを記載し、個別の診療情報を本文へ載せるかどうかは、利用するサービスと院内の情報管理方針に基づいて決めます。配信できなかった場合や連絡先が変更されている場合の確認方法も必要です。
狂犬病予防注射など行政手続が関係する案内は、病院で対応する範囲と、市区町村で必要となる手続を分けて掲載できます。制度や病院の方針が変わった際に、過去の案内が表示され続けないよう、公開期間と更新担当者を設定します。
血液検査の結果、レントゲン・エコー画像、投薬・食事に関する資料などを、ログインした飼い主様が動物ごとに確認できる画面です。公開前には、対象となる動物、検査日、資料の版、獣医師による確認状況を照合し、下書きや確認前の所見が表示されないようにします。訂正版を公開した場合は、以前の資料と区別して表示します。
飼い主様のアカウントには、閲覧できる動物と資料の範囲を設定します。家族で利用する場合は、代表者とそれ以外の利用者に同じ権限を与えるか、ダウンロードを許可するか、関係が変わった際に誰が利用停止を行うかも決めます。
閲覧日時は資料が開かれた記録であり、内容を理解したことや治療方針へ同意したことを示す記録とは分けて扱います。説明や同意が必要な内容は、説明した獣医師、日時、使用した資料、飼い主様の回答を別に記録します。
緊急性のある結果や早期の受診が必要な内容は、マイページへの公開だけで完了とせず、電話など病院が定めた方法で連絡します。保存期間、ダウンロードの可否、アクセス記録、アカウント停止後の扱いも導入時に確認します。
トリミングは基本コース、対象となる犬種・体重、追加メニュー、所要時間の目安を掲載します。ペットホテルは、部屋の種類、受付・お迎え時間、持参物、予防接種等の確認事項、受入できない条件を申込前に案内します。料金改定や受入条件の変更に備え、適用開始日と公開終了日を設定できる構成にします。
申込時には、利用する動物、希望日時、投薬、アレルギー、性格や接触時の注意、緊急連絡先など、サービス提供に必要な情報を受け取ります。診療記録を閲覧できる職員と、トリミング・ホテルの担当者が閲覧できる情報は、担当業務に応じて設定します。
状態は「申込受付」「内容確認」「受入確定」「来院」「サービス実施」「お迎え完了」「取消」に分けます。申込フォームを送信した段階では受入確定とせず、予防接種歴や健康状態の確認が必要な場合は、確認中であることを飼い主様へ表示します。
オプションの追加、延長料金、取消、返金が発生した場合は、会計・POSレジとの関係を決め、確定した金額を別画面のメモで変更しない運用にします。施術後や預かり中の写真を共有する場合は、撮影目的、公開相手、保存期間について事前に確認します。
休診、診療時間の変更、担当獣医師の予定、季節ごとの注意、しつけ教室などの情報を、種類と公開期間を指定して掲載します。重要なお知らせは通常の記事と表示を分け、公開前に内容を確認した担当者と公開日時を記録できます。
公開先は、誰でも閲覧できる病院サイト、受診歴のある飼い主様、特定サービスの利用者などに分けられます。個別の診療情報を含む連絡は一般公開のお知らせに掲載せず、必要に応じて認証されたマイページで案内します。
メールやLINEで通知する場合は、「公開済み」「通知処理済み」「配信不能」「閲覧」を区別します。通知が送信されたことだけで、飼い主様が内容を確認したとは判断しません。休診や予約変更など確実な連絡が必要な情報は、未達時の対応方法も決めます。
イベントは、定員、申込期限、対象条件を設定し、「申込受付」「参加確定」「キャンセル待ち」「取消」「参加済み」を一覧で管理できます。終了した記事や古い注意事項が検索から表示され続けないよう、見直し時期も設定します。
予約、問診、診療後の案内など、個別の業務を想定した画面イメージを紹介しています。
飼い主様が予約申込と問診を事前に入力し、院内では確認待ちの申込を一覧で表示します。予約日時、来院目的、対象の動物、注意事項を受付前に確認できるため、当日に追加で聞く項目と、診療担当者へ伝える内容を判断できます。
院内カルテ等の履歴を確認して案内対象を選び、メールやLINEから詳しい説明ページへ案内します。配信後は、予約済み、実施済み、他院で実施、今回は見送りなどを区別して記録し、同じ案内を重ねて送らないように管理します。
獣医師が確認した検査結果と資料を、対象の飼い主様だけが閲覧できるマイページへ公開します。公開した資料、説明日時、次回の受診予定を分けて記録し、訂正があった場合は新しい版を案内します。
最初に導入する範囲が運用できた後、必要に応じて次の機能を追加できます。
診療、予防・健診、トリミング、ペットホテルについて、現在の受付方法と利用中の予約サービス、院内カルテ、会計・POSレジを確認します。飼い主様と動物の登録方法、電話や窓口で受けた申込の扱いも伺います。
最初に導入する業務を決め、受付から完了までの状態を確認します。予約であれば、申込、病院確認、確定、変更、来院、取消の各段階で、誰が何を確認するかを決めます。
フォームの入力項目、院内一覧、飼い主様向け画面、通知文面を画面案にします。既存システムと同じ情報を扱う場合は、基準となるデータ、更新する画面、連携方法もこの段階で決めます。
確定した内容をもとに制作し、テスト環境で申込、確認、確定、変更、取消、通知までを確認します。複数頭の登録、代理申込、通知の配信不能、誤った資料の公開防止などもテストします。
更新担当者と公開前の確認方法を決め、操作手順と飼い主様への案内文を用意して運用を開始します。開始後に受付状況や問い合わせ内容を確認し、入力項目や通知のタイミングを見直します。
診療予約は現在のサービスを継続し、Web問診や飼い主様向けマイページだけ追加したい場合もご相談いただけます。
現在の受付方法、利用中のシステム、対象にしたい業務を確認し、必要な画面と運用方法をご提案します。