パターン1: 協力会社・現場・担当者ごとに書類管理が分裂
安全書類や資格証の提出状況が、現場単位のExcelやメールに散らばってしまい、
「最新はどれか」「誰が催促しているか」が分かりにくい状態です。
提出漏れが見つかるのが当日朝になり、入場調整や現場の段取りを崩しやすくなります。
建設現場では、協力会社の手配、入場者の資格確認、安全書類の回収、図面・仕様変更の共有、施工写真と是正、日報・出来高・工程など、管理すべき情報が次々に発生します。
その一方で、現場ごと・担当者ごとに運用が分かれやすく、「どこに何があるか」を探す時間が積み重なりがちです。
このページでは、元請・サブコンの現場管理で起きやすい情報の分散を、Webシステム上で整理していくための考え方と、画面構成イメージをご紹介します。
i-Construction 2.0で挙げられるデータ連携・遠隔確認・施工管理の効率化に関わるテーマ(BIM/CIM、遠隔臨場、3次元データ活用、検査のデジタル化 など)も、現場での使いどころが分かるように要点を押さえて触れます。
ここで挙げるシーンは、下の「ダッシュボード(管理画面)構成イメージ集」のモック画面に対応しています。
安全書類や資格証の提出状況が、現場単位のExcelやメールに散らばってしまい、
「最新はどれか」「誰が催促しているか」が分かりにくい状態です。
提出漏れが見つかるのが当日朝になり、入場調整や現場の段取りを崩しやすくなります。
写真は撮っているのに、指摘の背景や是正のやり取りが別媒体(電話・LINE・口頭)になり、
「いつ、誰が、何を、どう直したか」が後から追いにくくなります。
検査・引き渡し前に慌てて探す、という形になりがちです。
改訂図の配布や指示書の連絡を、メール添付や紙配布で行うと、
「誰が見たか」「旧版で施工していないか」の確認が難しくなります。
変更が多い現場ほど、ミスの芽が増えていきます。
安全・品質・工程の問題は現場に兆候が出ますが、
情報が集まらないと、会議の場で初めて把握する形になりやすいです。
早めに気付ければ段取りで解決できたものが、手戻りや残業に繋がることがあります。
協力会社の安全書類・作業員名簿・資格証・入場予定を、現場単位で見える化するイメージです。
「提出済み/未提出」「期限切れ」「差戻し」を色とステータスで揃えておくと、催促や当日トラブルを減らせます。
i-Construction 2.0の文脈で言うと、現場情報の「データ連携」を作る入口になります。
いきなり施工の自動化ではなく、まずは書類の状態を“機械が集計できる形”にするところから始められます。
画面イメージ:安全書類・入場者管理(現場別の提出状況ダッシュボード)
画面構成イメージはPCからご覧ください。
施工写真を「フォルダ」ではなく「案件(指摘)」として管理し、是正→確認→クローズまでを一連の履歴にするイメージです。
写真・コメント・承認が同じ場所に残ることで、検査前の探し物が減ります。
遠隔臨場は「立会い」だけの話になりがちですが、 実務としては “写真+指摘+承認” の履歴が揃うほど効果が出ます。
画面イメージ:施工写真・是正指摘(チケット+写真台帳)
画面構成イメージはPCからご覧ください。
現場日報を「作業実績の入力」と「週次の見える化」まで繋げるイメージです。
ここが揃うと、元請側の週次会議が“確認作業”ではなく“打ち手の会議”になりやすくなります。
BIM/CIMや3次元データを使う場合も、 現場の実績データが同じ単位(工区・工程など)でそろうほど、連携の効果が出やすくなります。
画面イメージ:現場日報・出来高・工程(週次の進捗ボード)
画面構成イメージはPCからご覧ください。
図面や仕様変更は「最新版がどれか」だけでなく、
「誰にいつ配布したか」「旧版で施工していないか」を追える形が重要です。
改訂番号・配布先・既読状況を揃えるだけでも、現場の確認コストが下がります。
i-Construction 2.0の「データ連携の自動化」を意識するなら、 図面・改訂の“データ項目”を揃えるところが土台になります。
画面イメージ:図面・仕様変更(改訂管理+配布・既読の履歴)
画面構成イメージはPCからご覧ください。
搬入・クレーン・車両導線・時間帯が詰まる現場では、
予定が見えないこと自体がリスクになります。
「誰が・いつ・何を持ち込むか」を予定表で揃えるだけでも、現場の混乱が減ります。
ここも「施工管理の効率化」の典型で、現場の段取りを“見える化”するだけで効きます。
画面イメージ:搬入・車両予約・近隣対応(現場予定表)
画面構成イメージはPCからご覧ください。
複数現場を持つと、会議用の資料作りが重くなりがちです。
現場別のKPI(未提出書類、期限超過の指摘、工程の遅れ、検査予定)を同じ軸で揃えると、
早い段階で“危ない現場”を特定できます。
“集計できる形”のデータが揃うと、将来的に施工管理の自動化(自動集計・自動アラート)など、次の改善にもつなげやすくなります。
画面イメージ:複数現場の統合ダッシュボード(安全・品質・工程)
画面構成イメージはPCからご覧ください。
書類そのものを電子化する以前に、「提出済み/未提出/差戻し/期限切れ」を同じルールで管理します。
これだけで、現場の朝の混乱(入場調整・催促のやり直し)が減りやすくなります。
写真を“フォルダ”で集めるのではなく、指摘・是正・承認の単位で紐付けます。
遠隔臨場のメモや検査の結果も、同じチケットに残しておくと、後工程で探す手間が減ります。
図面台帳に、改訂・発行日・影響工区を持たせ、配布先と既読・確認状況を揃えます。
BIM/CIMや3次元データを使う場合も、改訂の考え方が揃っているほど運用が安定します。
現場日報は現場の記録で終わらせず、「週次で見える形」に繋げます。
工区・工程・協力会社といった軸で揃えると、会議資料の作成コストが下がり、判断が早くなります。
すべてを数値化しなくても、未提出・期限超過・未クローズ指摘・重要工程の遅れ兆候など、
先に手を打つべきサインを一覧できるだけで十分に効きます。
将来的に、i-Construction 2.0の文脈で言う「施工管理の効率化・自動化」に繋げやすくなります。
建設の現場管理は範囲が広いので、最初から全部を作ろうとすると止まりやすくなります。
初期段階では、次の 2〜3 点に絞って始めるケースが多いです。
小さく始めても、現場の“探す時間”が減るほど、運用が回り始めます。
回り始めた段階で、日報・工程・複数現場の統合ダッシュボードなどに広げるのが現実的です。
ご相談時には、次のような情報があると話を進めやすくなります。
現状の運用を前提にしながら、「どこをWebで支えると効きそうか」を一緒に整理するスタンスです。
建設業全体としての活用イメージは、
建設業向けWebシステム活用アイデア
もご覧ください。