物流 × 運送・倉庫向け

配車・運行・荷待ち・バース予約・庫内進捗をつなぐ見える化

物流の現場では、配車の変更連絡、到着〜荷待ち〜荷役の記録、倉庫の入場受付やバース調整、庫内作業の進み具合など、情報の発生点が分散しやすいです。
さらに、遅延・追加便・再配・付帯料金などの例外があると、運行実績と請求のつなぎ込みが一気に難しくなります。
このページでは、運送と倉庫の間にある「待ち」と「例外」を中心に、現場ルールに合わせて整理しやすい画面構成イメージ(モック)をご紹介します。

配車・運行・荷待ち・バース予約・庫内進捗をつなぐ見える化

こんな運送・倉庫の方に向いています

  • 配車がExcel中心で、変更が電話・チャットに散らばり、誰が最新版を持っているか分かりにくい。
  • 到着・待機・荷役・出発の時刻が残らず、「どこで詰まっているか」が後から追えない。
  • バースの割り当てがホワイトボード/口頭で、倉庫側の負荷が読めない。
  • 庫内作業(ピッキング/検品/積込)の進捗が見えず、運送側の到着タイミングを合わせづらい。
  • 遅延・追加便・再配などの例外で、運行実績と請求(付帯料金含む)が噛み合わない。
  • TMS/WMS/会計などが別々で、転記・確認に時間を取られる。

このページで扱うシーン

ここで挙げるシーンは、下の「ダッシュボード(管理画面)構成イメージ集」のモック画面に対応しています。

現場で起きがちな運用上の課題

パターン1: 配車変更が連絡ベースで、履歴と責任が曖昧

変更が多いほど、電話・チャット・紙の指示が混ざり、「いつの指示が正しいか」の確認に時間がかかります。
結果として、現場は動いているのに、事務側は整合を取るだけで一日が終わりがちです。

パターン2: 荷待ち・荷役の実態が見えず、改善の議論が空回り

到着・受付・呼出・荷役開始・荷役完了といった区切りが記録されていないと、どこがボトルネックか特定できません。
「感覚で改善」になり、結局いつもの運用に戻ってしまいます。

パターン3: 倉庫の進捗が見えず、運送側の到着調整ができない

ピッキングや積込の遅れが分からないと、トラックが早く来て待つ/遅く来て波が崩れる、のどちらかになります。
ここが揃わないと、バース予約を入れても期待通りに回りません。

パターン4: 例外が多く、請求が「運行と別世界」になっている

追加便、再配、待機、立寄り、付帯作業などがあると、運行実績と請求明細がズレやすくなります。
「例外だけ拾う」仕組みがないと、最終的に人が紙で整合を取ることになります。

ダッシュボード(管理画面)構成イメージ集

シーン1

配車→運行指示をまとめて、変更の履歴も残したい

配車計画と運行指示を「便(運行)」単位で揃え、変更が入っても履歴として追える形にします。
変更理由と変更者を残しておくと、現場に負荷を押し付けずに改善の議論ができます。

  • 便の一覧(担当車両・ドライバー・積地/卸地・予定時刻)
  • 変更履歴(差分、理由、連絡済み/未連絡)
  • 立寄り・追加作業などの付帯条件
  • 当日対応(差し替え、急ぎ便、再配)

画面イメージ:配車計画・運行指示(履歴つきダッシュボード)

画面構成イメージはPCからご覧ください。

シーン2

運行実績(到着・待機・荷役)を記録して、遅延・再配に対応したい

運行の「区切り」を揃えて記録し、遅延が出たときに、何が原因だったかを後で説明できる状態にします。
再配や追加便の判断も、状況が見えるほど早くなります。

  • 到着/受付/呼出/荷役開始/荷役完了/出発の記録
  • 遅延理由(渋滞・待機・積込遅れ・検品待ち など)
  • 再配・追加便の発生と引き継ぎ
  • 荷待ち・荷役時間の集計(拠点別・荷主別)

画面イメージ:運行実績(到着〜荷待ち〜荷役の記録と集計)

画面構成イメージはPCからご覧ください。

シーン3

バース予約+入場受付で、荷待ち時間を見える化したい

倉庫側の入口を「予約」と「受付」に分け、予定と実績の差が見えるようにします。
倉庫側の負荷(どの時間帯が詰まりやすいか)も、改善の材料になります。

  • バース予約(時間帯・便・荷主・荷姿・注意事項)
  • 入場受付(到着、受付番号、待機場所)
  • 呼出状況(呼出中/作業中/完了)
  • 荷待ち時間の見える化(一覧・ランキング・推移)

画面イメージ:バース予約+入場受付(倉庫側ダッシュボード)

画面構成イメージはPCからご覧ください。

シーン4

庫内作業をスマホ入力して、管理画面で進捗を見たい

庫内作業は「細かい実績を全部入力」よりも、まずは“詰まるポイント”だけ見える形にする方が回りやすいです。
ピッキング・検品・積込の状態が揃うと、運送側の到着調整がやりやすくなります。

  • 波動(出荷予定)と作業の割り当て
  • ピッキング/検品/積込のステータス
  • スマホ入力(完了・差戻し・不足など)
  • 遅れのアラート(作業遅延・人手不足・物量超過)

画面イメージ:庫内進捗(スマホ入力→管理画面で監視)

画面構成イメージはPCからご覧ください。

シーン5

運行実績→請求までをつないで、付帯料金や例外も扱いたい

「運行」と「請求」を別運用にせず、便の実績と明細を同じ単位で紐付けます。
例外は“入力フォームを増やす”より、まず「例外だけ拾える」形にするのが現実的です。

  • 便と請求明細の紐付け(運賃/待機/付帯作業など)
  • 追加便・再配の扱い(親便との関係)
  • 差異チェック(見積・契約条件とのズレ)
  • 請求書発行前の確認ステータス

画面イメージ:運行→請求(例外処理込みの整合チェック)

画面構成イメージはPCからご覧ください。

Webシステムでどう楽にしていけるか

  1. 1. 便(運行)を基準に、配車・倉庫・請求の“つなぎ目”を作る

    まずは便ID(管理番号)を決め、配車・運行実績・バース予約・庫内進捗・請求が同じ単位で追えるようにします。
    ここが揃うと、転記や照合の手間が減っていきます。

  2. 2. 荷待ち・荷役の区切りを揃えて、原因が分かる記録にする

    到着・受付・呼出・荷役開始・荷役完了のように区切りを揃えると、「どこで詰まったか」が説明できます。
    改善の議論が、感覚ではなく実績に寄ります。

  3. 3. バース予約と入場受付を分けて、倉庫の負荷を可視化する

    予約は「予定」、受付は「実績」です。両方があると、ピークや詰まりを扱いやすくなります。
    倉庫側の運用ルール(受付の方法、待機場所など)に合わせて作れます。

  4. 4. 庫内作業は“全部入力”より、詰まりの原因だけ先に見える化する

    ピッキング・検品・積込を細かく取る前に、「どこで止まっているか」だけ出す方が回りやすいです。
    入力はスマホで軽く、管理画面側で“遅れだけ拾う”形が現実的です。

  5. 5. 例外は「ルール化できる範囲」と「人が見る範囲」を分ける

    追加便・再配・付帯料金などは、全部を自動化しようとすると破綻しがちです。
    まずは例外の発生を拾い、確認→確定の流れを短くするだけでも効果が出ます。

小さく始めるならどこからか

物流は範囲が広いので、最初から全部つなぐより「詰まりやすい部分」から始める方が進みます。
初期段階では、次の 2〜3 点に絞るケースが多いです。

  • バース予約+入場受付(荷待ち時間の見える化)
  • 配車計画の履歴化(変更理由・変更者・連絡済みの状態)
  • 庫内作業の進捗を「遅れだけ拾う」簡易ボード

ここが回り始めた段階で、運行実績→請求の整合や、TMS/WMS連携の範囲を広げるのが現実的です。

ご相談いただくときのポイント

ご相談時には、次のような情報があると話を進めやすくなります。

  • 配車の運用(便の単位、変更が起きるポイント、連絡手段、締め時間)。
  • 到着・受付・呼出・荷役の流れ(倉庫側の受付ルール、待機場所、例外対応)。
  • バース運用(予約枠の切り方、荷姿・車種制約、優先ルール)。
  • 庫内作業の運用(ピッキング〜検品〜積込の責任分界、遅れやすい工程)。
  • 請求の例外(待機料・付帯料金・再配・追加便の扱い、契約条件の持ち方)。
  • 既存ツール(TMS/WMS/会計/Excel)の範囲と、二重入力になっている箇所。

物流全体としての活用イメージは、 物流(運送・倉庫)向けWebシステム活用アイデア にまとめる想定です(業種トップに誘導)。

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